2023年1月13日金曜日

今どきの新設公共図書館

 先日1/9、昨年9月に新たに増築された神奈川県立図書館本館を訪ねました。といいますのも、ある本を、いつも使うことの多い横浜市立中央図書館で探していたところ、ここには蔵書がなく県立図書館にあり、その時点で貸し出し可能とわかったことがきっかけでした。
新本館は、1954年に桜木町駅から紅葉坂を20分ほど歩いた坂の上のエリアにある旧本館の隣に新設されました。これまでは、近くの市立図書館に比べて、規模も小さくて施設も古く、最寄り駅からもやや遠いことから、私の場合いつもはついつい市立図書館を使うようになっていました。
新本館は、「価値を創造する図書館」がコンセプトだそうです。具体的には、プロジェクト監修者の幅允孝氏によると以下のように説明されています。

「無料で本が借りられる場所」から、「教育」と「コミュニティ」の場へ。現在、世界的に公共図書館のあり⽅が変化するなかで、神奈川県⽴図書館は図書館内外の境界をあいまいにすることで、より本への出会い⽅をもデザインしている。県⽴図書館として、いままでのアーカイヴスを守り継いでいきながら、『しっかりと本と向き合い、それを読み⽣かす』という読書の本義に新たな視点を差し込むことで、『未来の図書館の王道』をしっかり体現することがこのプロジェクトでは⼤切だった。」

建物の特徴は、旧本館(前川圀男氏の設計による日本のモダニズム建築の代表的な建物だったそうです)で使われていた、⽇射を制御しながら⾃然光を室内に取り⼊れるためのホローブリック(有孔煉⽡ブロック)が、新本館でも多くとりいれられ、壁面だけでなく、ロゴマークや館内標識・サインにも込められているように感じました。また、ホローブリックのもつ透明感と開放感というエッセンスを、⼤きな窓ガラスによっても実現されており、設計者によると「本と光に包まれながら本と向き合うことのできる空間」を設計したとのこと。

これからデジタル図書の増える中で、公共図書館の蔵書の意味も変わっていくと予想されますが、幅広く、深く本と接する公的な場所が必要なことは時代を経ても変わらないように思いました。ここは閲覧席の数も多く、静かな閲覧室や個室風の閲覧席もあり、これからは県立図書館と市立図書館の両用で行きたいと思っているところです。

帰路、すぐ隣にある伊勢山皇大神宮(横浜の総鎮守で、「関東のお伊勢さん」といわれるそうです)にお参りしました。9日遅れの初詣客とともに成人の日を迎える着飾った若い参拝者も多く見かけました。この日も参道には屋台が出ていました。
この日は、9,600歩コースでした。

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この図書館の場所は、横浜開港に伴い、1859年に任命された5人の外国奉行が開港場建設の事務に当たった奉行役所の跡地だそうです。

新設された神奈川県立図書館本館
確かに外観や内装に透明感と開放感を感じます
新本館4階オープンテラスから見たみなとみらい
地区。すぐ下が紅葉坂です。
すぐ隣にある伊勢山皇大神宮の本殿前
にある注連柱(しめばしら)は後の鳥
居の原形だそうです。

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