8/6には、猛暑日の中、上野の東京国立博物館で開催中の「神護寺展」(じんごじ)を観てきました。空海生誕1250年を記念したイベントが各地で開かれていますが、この企画もその一環で、それと高雄山神護寺(たかおさん)の創建1200年を合わせて記念した企画だそうです。8/13を境に前期と後期で展示が入れ替わるようで、今回は前期の展示を観たことになります。
それにしても、これだけをここで展示すれば、今は、神護寺はすっかり空っぽかと思われるくらい、盛り沢山な展示です。NHKも主催しており、映像も豊富でした。
空海が唐から帰国して最初にここに滞在しました。遣唐使として20年滞在予定のところ、中国西安市の青龍寺で恵果(けいか)から密教奥義の皆伝を受けたとはいえ、807年に3年で帰国したことで朝廷からすぐには受け入れられず、都の中心からは離れた神護寺に入定したそうです(今でも京都駅から北西にバスで50分かかります)。816年に和歌山の高野山金剛峰寺に移るまでここで、巨大な曼陀羅絵の制作など、真言密教の基礎を作り上げた場所とのこと。神護寺は、正しくは、神護国祚真言寺(じんごこくそしんごんじ:八幡神の加護により国家鎮護を祈念する真言の寺)だそうで、後の真言宗の発祥の地だそうです。
長い歴史の中で、書物、経物、絵巻、屏風絵、仏像、彫刻が多く残されており、とくに、空海が筆をいれたとされる両界曼荼羅(金剛界、胎蔵界)、寺外初公開のご本尊「薬師如来立像」、空海自筆の経物や密教儀礼の受法者名簿、歴史教科書で定番の、等身大に頼朝を描いた伝源頼朝像の原画、など、興味をそそられる展示が多くありました。展示の中で、密教が曼陀羅絵を重視するのは、お経の文字列だけでは表現できな教義が曼陀羅絵にはあるそうで、密教の根源とのこと。
1200年を一足飛びに遡るタイムマシンのような感じのする、なかなかわかりやすい、私には見応えのある展示でした。
このところ、昨夏に京都で親鸞展、今春にここで法然展、そして今回空海展と、歳のせいか、仏教絡みの拝観の機会が増えてきました。
この日は、12,800歩コースでした。暑いなか、結構歩きました。
2024年8月6日火曜日
猛暑のなかの「神護寺」展
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