先日8月初旬に虎ノ門で所用があり、その帰路、久しぶりに虎ノ門から烏森通りをゆっくり新橋まで歩いてきました。途中の虎ノ門一丁目交差点で見かけたのが、ビルの谷間の老舗蕎麦店「虎ノ門大坂屋砂場本店」です。
今も全く変わらず健在でした。ただ、真ん前には、虎ノ門ヒルズビジネスタワー(36階)が最近完成して環境は大きく変わり、ビルの谷間は益々深くなっていました。
これまでも何度かここには立ち寄ってきましたが、今回そんなに混んでもいなかったので、定番のざるそばをいただいてきました。味も全く変わらずです。
ここの建物は、私には一度描いてみたいスポットでもあり、今回、今の姿をスケッチしてみました。
砂場は、16世紀の大坂城築城のときに工事現場近くの砂置き場で開業していた蕎麦店「和泉屋」が起点で、家康の江戸入りに合わせて関東に移ってきたそうです。当初の麹町からその後明治5年にここに移転し(その時、ここと日本橋本石町にもできたそうです)、今も六代目が引き継いでいるとのこと。今では、全国に砂場のれんの店が広がっています。虎ノ門の店舗は大正初期(大正5年築)の蕎麦屋の面影を残しながらもちゃんと管理されています(建屋をそのまま動かして、耐震工事もされているとか)。時代の変化を取り込みながらの大変な営業の継続かと思い、その心意気に感心しながら、味わわせていただきました。
横浜桜木町駅前の四代目川村屋さんとともにささやかながら応援していきたいと思っています。
「桜木町蕎麦店「川村屋」さんの復活」2023年9月
https://kinoken33.blogspot.com/2023/09/blog-post_57.html
(付記)店内の掲示によると、場所柄、山岡鐡舟、高橋泥舟、勝海舟の三舟等、歴史的な人物が多くこの店を訪れています。山本五十六元帥は愛好者の一人だったそうです。日本らしい一種の生きた記念館のようにもにも見えます。
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