2026年10月27日火曜日

インターネット句会のこと その2 ー1年間の使い心地ー

 ここ1年余り、属する神奈川県現代俳句協会傘下の句会のひとつであるインターネット句会に参加しています。
夏雲システム(注)という、篤志家によって運営されている便利で使い勝手の良いシステムが使われています。IT企業の社員の方がボランティアで運営されている句会運営支援サイトです。料金もかからず無料で使えます。日本で唯一のシステムで、俳句愛好者にとっては大変有難い立派な社会貢献活動と感心しています。
機能の概要は以下の(注)の通りです。ネット上の句会設定から参加者による投句、無記名の投句一覧(清記表といいます)の提示、参加者による選句(特選1句、並線○句を選びます)、講評(選定理由などコメントします)、点盛(通常、特選2点、並選1点で句ごとに点数をカウントします)、その選句・講評結果の公表まで、一連の句会の段取り(ステップ)をこのサイトがワンストップでカバーしています。スマホ、パソコンからも利用可能で、移動先でも句会参加が問題なくできます。
伝統的に対面が原則だった句会ですが、コロナ禍を契機に、オフィスでのリモートワークの普及もあって、やむなくインターネットを使ったオンライン句会が一気に広まりました。
しかし、最近はオンライン句会の限界も指摘され始め、従来からの対面型のオフライン句会を補完する役割と見られ始めているようです。
先日も句会の後の懇親会で、これが話題となり、対面型の句会がフルマラソンとすると、オンライン句会は、フルマラソンの様々な問題を補う「ハーフマラソン」というところで、とってかわるのではなくお互い状況に応じて補い合うもの、対面句会を補助するもの、かもしれないというのが結論でした。
その場で先生からも、最近はオンライン句会は増えていない、むしろ対面型に変わるケースもある、とのことでした。オンライン句会が便利なのは、遠隔地からの句会に参加するメンバ、日程的に合わずその時間に参加できないメンバあるいは年齢や体調不良などで句会会場まで足を運ぶのに不自由なメンバ、忙しい現役世代、若い世代のメンバ、にとっては、オンライン句会であれば同じ条件で参加でき、オンライン句会は非常に有効な方法であることは間違いありません。
ただ、ここ1年間月一回のオンライン句会に参加して感じるのは、メンバの人となり、存在感、人物感が湧かない、というところです。このオンライン句会も20名のメンバが参加していますが、顔見知りなのは、たまたま他の句会で知り合った1人だけで、他の方々とは、出句や講評の内容を文字ではやり取りするわけですが、直接にはお会いしたこともお話したこともない 、というはがゆい、まどろっこしい状況が続いています。よく言われる、オンラインでは雑談、無駄話、サイドトーク、イフォーマルコミュニケーションが不足するとうい現象が、オンラインばかり長く続くと段々と現れてくるようです。オンラインでは、強く言わないし悪くもいわない、また無駄口もたたかない、という一般的な傾向で、形式的なやり取りになり勝ちで、新しいアイデア、思いつき、ちょっと変わった話が出にくい傾向があるそうです。
これを補うために、オンライン会議システムとして広く使われているZoomミーティングを夏雲システムと組み合わせて使うこともあるようですが、やはりハーフマラソンで対面には及びません。
最近では、一時期リモートワークに舵を切った企業での出社回帰(RTO:Return to Office といわれます)、在宅勤務推奨ルールの見直し、などが増えているそうです。
このように、趣味の世界の句会でもオンラインとオフラインのせめぎ合い、組み合わせによる補完、などが模索され始めているように、オンライン句会を1年間余り使ってみてあらためて感じさせられました。




(注)夏雲システムについて
2025年7月には俳句句会運営サイトとして広く普及している 夏雲システム について当ブログに以下のような記事をアップしていました。

インターネット句会のこと

0 件のコメント:

コメントを投稿

インターネット句会のこと その2 ー1年間の使い心地ー

 ここ1年余り、属する神奈川県現代俳句協会傘下の句会のひとつであるインターネット句会に参加しています。 夏雲システム(注)という、篤志家によって運営されている便利で使い勝手の良いシステムが使われています。IT企業の社員の方がボランティアで運営されている句会運営支援サイトです。料金...