2024年5月11日土曜日

「法然と極楽浄土」展

5/9には、所用も前日になんとか一段落し、気になっていた「法然と極楽浄土」展を観てきました。上野の東京国立博物館の平成館で4/16〜6/9まで開催されています。上野に来るのは久々ですが、随分と、駅も公園も綺麗になっていました。この博物館 の来訪者は、ざっと見て半分は外国人です。ただ法然展になると、その内容からやはり日本人だけでした。
この展示は、令和6年(2024)に浄土宗開宗850年を迎えることを機に、法然(源空)による浄土宗の立教開宗から、弟子たちによる諸派の創設と教義の確立(法脈といいます)、徳川将軍家の帰依(きえ)によって大きく発展を遂げるまでの、浄土宗850年におよぶ歴史を、全国の浄土宗諸寺院等が所蔵する国宝、重要文化財を含む貴重な名宝によってたどるもの、とのこと。なかなか力の籠った、限られたスペースながら網羅的で重量感のある展示でした。
ここ4年程、実家の整理を機会に、これまで接する機会のなかった日本仏教史とともに親鸞の生い立ちをフォロウしてきました。29歳で比叡山から降りた親鸞が、直接の師として仰いだ法然には、このところ興味をもっていました。親鸞は、法然の下で修業中にも法然の他の先輩弟子達の考えとは対立し、法然の死後、教えの違いから、浄土宗とは決別し浄土真宗を開宗せざるをえなかったわけですが、その大本となった法然の宗旨、親鸞と三大論争をして浄土宗を興した弟子達の考え方、その後、徳川将軍家が深く帰依した浄土宗の生い立ちには、関心がありました。
展示では、法然の生涯を絵と文章で詳細に伝える伝記絵「法然上人絵伝」(京都知恩院所蔵・鎌倉期)や浄土の世界を狩野一信らが100幅の大きく多彩な軸にした「五百羅漢図」(東京増上寺所蔵・江戸期)のうち24幅の展示など、見応えがありました。
今年10月からは京都で、来年10月からは博多で、巡回展示されるそうです。また、7月からここで開催される「空海と密教美術展」も楽しみです(7/20-9/25)。

昨年春、京都での親鸞展については、下記に訪問記事をアップしていました。

親鸞展と三十三間堂といつものうどん店

https://kinoken33.blogspot.com/2023/04/blog-post_55.html

この日は、8,300歩コースでした。


仏涅槃群像(ぶつねはんぐんぞう) から釈迦の
涅槃像
(香川・法然寺蔵、江戸期)。
通常絵で描かれる釈迦入滅の場面を77体の
立体涅槃群像で構成しています。
展示の中でここだけ撮影可能でした。
仏涅槃群像77体のうち羅漢。涅槃、羅漢の
ほかに、八部衆、動物など26体が展示されて
いました 。(同上)

本館左手にある表慶館(注)

東京国立博物館本館。平成館は本館の左奥に
あります。

正門前のカンバンです。

東京国立博物館前景

途中の国立科学博物館のクジラのオブジェ

途中の国立科学博物館

JR上野駅公園口を出ると右手に見える
国立西洋美術館
本展のパンフレットです。
4ページ刷りで力が入っています。

(注)表慶館は、皇太子殿下嘉仁親王(後の大正天皇)の御成婚を祝って、市民からの
寄付金によって奉献された美術館。1901年から7年かけて1908(明治41)年に完成した。

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