2022年3月6日日曜日

小田原の「雛の道中」

 3/6には、小田原市内で開催中の企画「おだわら 雛の道中」の一端をのぞいてきました。この企画は、昭和30年頃まで小田原にあった「おくばりごと」という習慣を今流に拡げて再現したもので今年は18回目だとか(2/11~3/6)。この習慣は、女の子たちが小さな台所道具を詰めた箱を携え、家々を訪ねまわりままごと遊びに興じながら雛をめでるという慣わしで、それを市民、一般客にも開放した企画だそうです。今年は市内の公共施設や旧東海道小田原宿本町沿いの酒屋、薬屋、和菓子屋、割烹、蒲鉾店など商家25か所で行われました。
当日は企画の最終日でしたが、駆け足でそのいくつかを訪ねました。写真順に、
・清閑亭:明治期黒田長成侯爵(最後の福岡藩主の長男で、長く貴族院副議長だったとのこと)の別邸だった邸園に保存されている明治初期の雛飾りが展示されていました。ここは今年3 月末で閉園となるそうで、ラストチャンスでした。
・小田原宿なりわい交流館:早川の小田原港の魚料理店に伝わる雛飾りを展示していました。
・薬・和菓子店の「ういろう」:北条早雲に招かれて小田原に定住し薬と和菓子を同じ店舗で販売する外郎(ういろう)家に伝わる文政3年(1820年)の大雛が店舗の一角に展示されていました。男雛と女雛の左右の並びが逆になっています。
・済生堂薬局小西本店:漢方薬店主の母と伯母の雛人形(大正4,5年)、祖母の雛人形(明治中頃)が、店主奥さんの雛人形(昭和25年)に加えて店舗奥の蔵内の薬局用の百味箪笥前に展示されています。店主の説明では、小西家は戦国時代の小西行長の弟が小田原に移住した家系とのこと。江戸時代の飛脚が使っていた封書を入れて伝達する箱も残されているそうです。
・おだわら市民交流センターUMECO:昭和35年の雛飾りとか。

いずれも、宿場町小田原ならではの、身近なところにある脈々とした歴史を感じます。途中、小田原城三の丸の白梅も丁度盛りでした。
この日は、10,700歩コースでした。

            清閑亭にて(明治初期)
            清閑亭にて(明治初期)
            清閑亭

「ういろう」(外郎家邸)にて(文政3年,1820年)

済生堂薬局小西本店にて(明治中期)
済生堂薬局小西本店にて(大正4年)
済生堂薬局小西本店にて(大正5年)
飛脚の伝達箱
済生堂薬局小西本店

おだわら市民交流センターUMECO(昭和35年)

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