10/5には、地元上大岡のTOHOシネマで今話題の映画「シビル・ウォー(Civil War)―アメリカ最後の日」を観てきました。
監督は英国人ですが、2020年のトランプ政権末期に出版されたSF小説の映画化で、カリフォルニア州とテキサス州を中心とする西部13州が、ワシントンDCの主導する合衆国から離脱し、西部勢力WF(Western Forces)を組み、独自の軍隊を編成して西部から東進します。途中市街戦やトラブルを繰り返しながらホワイトハウスを襲撃して、3選されたばかりの大統領を射殺する、という衝撃的なシナリオです。連邦政府が、内戦によりWFに敗北し消滅する様を、WF側の報道カメラマンの立場から描いています。あたかも、2020年の大統領選直後に国会議事堂をトランプ派が襲撃した事件の逆です。
専制的な米大統領が描かれており、憲法改正の後に3選目を迎え(どこかのリーダ達のように、憲法改正で(これまで禁止されてきた)3選を許容しています)、(大統領を取り調べる)FBIを解散し、グリーンランドかアラスカへの亡命を主張する、などの設定は、2020年頃のトランプ政権末期を彷彿とさせます。やや誇張気味ではありますが。
映像でも戦闘のリアルな風景を多用しており(米国人好みです)、現在の米国での分断の深刻さを思わせる、2時間程の、なかなかの大作です.。
民主主義国の分断の行きつく先を追い求めた作品で、こうあってほしくないという監督の思いが切々と伝わってきます。また、「説明せずに記録に徹する」報道写真の神髄のようなものが繰り返し述べられます。
このようなストーリとは別に、私が気になったのは、主役の新人報道カメラウーマン ジェシーが持つカメラです。フィルムカメラ「NIKON FE2」がセリフでも、ジェシーが「父親から譲り受けた」との設定で終始使われています。1983年発売の機種であり当時全盛のアナログ一眼レフで、いまもレジェンドとして一目置かれています。映画では、容器の中の現像液を体温で暖めてフィルムを現像する様子が出てきます。
この映画では、ジェシーが撮影するたびにカメラのブランド名を含めて映像化されており(パートナーのベテラン女性記者リーのカメラブランドは伏せられていました)、登場回数は20回前後かと思います。ホワイトハウスでの決定的な最後のシーンにも登場します。主役必携の商売道具であり、いわば、「もう一つの主役」です。
いちアマチュアNikonユーザとしても、NIKONには、この映画を通して、一眼レフの老舗日本メーカとして、また報道写真などプロ向きのNIKONとして、世界の映画ファンに大いにアピールしてほしいと思います。
2024年10月7日月曜日
映画「シビル・ウォー」でのもう一つの主役
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