先日2/25には、近くのミニシアタ シネマ・ジャック&ベティで、今どきの古書店事情の一面を捉えた映画「本を綴る(つづる)」を観てきました。映画にでてくる書店のロケにも実在する古書店が使われているとか。いまは苦戦する古書店ですが、次第に古書店のネット化が進み古本の所在が横断的に検索できるようになり、それをネットで取り寄せる、というスタイルが始まろうとしています。これからは、ある意味で、公立の図書館とは別に「草の根の分散型の図書館」とでもいうのでしょうか。この映画が目に留まったのは、これからの古書店の一端をのぞいてみたいと思ったことがありました。
この映画は、2021年に東京都書店商業組合が開設したYouTubeチャンネル「東京の本屋さん 街に本屋があるということ」で、全国の書店への取材を基に製作した配信ドラマ『本を贈る』をベースに、その後を描いた2024年のロードムービーでした。
全国の本屋を回ってその良さを紹介するコラムや本の書評の執筆を生業にする小説家を描いています。ダム建設が一旦決まっていながら途中で工事が中止となったために廃村になったままの福井県の村をモデルにした自分のベストセラー小説のために、モデルになった村民からの強い反発を受け、その後小説を書けなくなった小説家が、書店の旅、本屋を介した人との繋がりや再会を通して、書けなくなった理由に向き合い、立ち直っていく様が軽妙に描かれています。那須の山中の書店で見つけた古本に挟まれたまま送られなかった恋文をきっかけに、京都、高松、品川などを巡る旅行紀でもあります。
主人公の小説家がはじめたのが、書店の廃業などで居場所を失った本を扱う、ワンボックスカーを使った「移動古本店」でした。また、この小説家が書き始めたのが、本屋を兼業する気候変動に強い野菜農家など環境問題をテーマにした小説と絵本でした。この帰結も作品の冒頭に暗示されています。(注)
新刊本ではなく古本でしかない、本の繋がり、それによる人のつながり、がうまくコンパクトに表現されたよい作品と思いました。そういうとサブテーマも「本の居場所。人の居場所」でした。また、スポンサも東京都書店商業組合で、古書文化の応援作品でもありました。
因みに、このシネマ・ジャック&ベティでは、館内修繕のためのクラウドファンディングで目標額(3,000万円)を達成したそうで、心なしか館内随所が整備され綺麗になっていました。
この日は、帰りに伊勢佐木町を関内までゆっくりと回り、7,500歩コースでした。
(注) 詳しくは、映画.comやこの映画の公式サイトで紹介されています。
2025年3月1日土曜日
これからの古書店
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