6/27には、鶴見の總持寺で吟行会に参加してきました。属する神奈川県現代俳句協会の4つの句会が主催する合同吟行会です。梅雨晴れにも恵まれ、52名の参加で、賑やかで和やかな会でした。
この日の投句のしばりは「嘱目2題」(しょくもく)で、これは即興的に目に入ったものを詠むことです。お題が定められた題詠(席題、兼題)ではなく、雑詠の一種だそうです。嘱目では、季語の制約に関わらず、目にしたものをその場で詠むという即興性を含むとのことでした。
午前中に、總持寺を自由散策して各自句を詠み、13時までに、会場の鶴見区公会堂内の会議室で出句します。それら全句104句を二枚に清書(清記といいます)して(投句者の筆跡がわからないようにします)、そのコピー(清記用紙)が参加者に配布されます。それを見て各参加者が良いと思う句3句を選句して選句用紙に記載し提出します。それを集めて、順に読み上げて(披講)、選ばれた句の作者は都度名乗ります。これが参加者にとっては楽しみなクライマックスのようです。すべての紹介が終わると点盛りが行なわれます。その結果によって、今回は高得点上位20名が顕彰されることになります。このような相互選(互選)によって非常に公平でオープンな手順で選ばれます。長く練られてきた日本的な方法だな、と感じました。この方法は短歌や狂歌、俳諧などでも同じだそうです。
また、集計中には、文藝春秋社「文學界」元編集長の雨宮さん(俳句結社「山河」を主宰)の講演「芥川賞、直木賞の選考会を巡る四方山話など」や来賓や役員20名ほどの方々から次々と自身の選句結果を中心に、どこが良かったかの講評もあり、盛り沢山です。同じ対象物を52人がそれぞれの目でみた同好の士同士の意見交換が行われ、意外な見方や表現も多く、大いに勉強になりました。
私からは以下を出句しましたが、前者が一人に選句されたくらいでした。因みに、今回一位の方の句は9人に選句されています。なにか共感の論理がありそうです。
梅雨の朝光る廊下や僧の影
梅雨晴間一筋昇る香炉かな
この日は、9,200歩コースでした。
因みに、先日、下見にここを訪ねた折の記事を下記にアップしていました。

待鳳館。「当本山の迎賓館」とのこと。

百間廊下。端から端を見ています。
この日もよく磨かれていました。
移動時間節約のためでしょうか、修行僧が
バタバタと走って行き来しています。

佛殿正面。総ヒノキ造りだそうです。この
すぐ裏が墓苑になります。

三松関(さんしょうかん)正面。總持寺の総門に
当ります。参道から訪れる参拝者が最初にくぐる
門です。

三松関裏側。「三松」は、總持寺の祖院が
ある能登にあった三本の龍のような松に
由来するとか。また、三松関は禅宗寺院では
珍しい高麗門様式だそうで、格式と
風格を感じます。

太祖堂奥には墓地があり、檀家に裕次郎さんも
おられるようです。墓処探訪は次回に回し
ました。

参道。左は千年の森です。