2022年5月22日日曜日

メトロポリタン美術館展と太平洋展

 先日5/19には、新富町で用があり、その帰りに、六本木の国立新美術館に寄りました。丁度開催中のメトロポリタン美術館展と太平洋展を欲張って観てきました。両方とも規模の大きな企画でしたので、同じフロアでの展示でしたが、足早に回ってきました。
メトロポリタン美術館展は、昨年11~1月の大阪市立美術館での展示を終えた後の巡回展で、NYのメトロポリタン美術館展の所蔵作品から65点の展示でした。結果的には、観客側からすると、コロナ禍の中、この時期の方がゆっくりと観ることができたのかもしれません。そのうち46点は初来日だとか。15~16世紀の「信仰とルネサンス」の時代、17~18世紀の「絶対主義と啓蒙主義」の時代、19世紀の「革命と人々のための芸術」の時代に分けて、15世紀の初期ルネサンスの頃から19世紀のポスト印象派まで、西洋絵画の500年の歴史を実物ととも、その時代の傾向や時代間の違いを丁寧に示す展示でした。このように時代を通して系統だって見ることもなかった者からすると、わかりやすく大いに参考になりました。また、出展元のメトロポリタン美術館は、1866年パリでアメリカ独立宣言の90周年を祝うために集った米国人によって構想が提案され、明治初期の1870年に民間人によってNYセントラルパーク内の一角に設立されたとのこと。そこに、実業家や資産家、芸術家といった市民が創立者として尽力し、個人コレクタからの寄贈などによってコレクションを形成したそうです。最初は所蔵作品が0点だったそうですが、今は150万余点と、民間ベースでここまで成長したそうです。ここに、文化面でも、米国流の民間活力を感じます。
太平洋展では、作品の写真撮影は可能で、お気に入りの作品を140枚程撮影してきました。スケッチの先生の紹介でここ数回通っていますが、今年は、絵画部門で、同じモチーフで一人2作を組合せて出展する方が多かったのが印象に残りました。また、コロナ禍の影響でしょうか、彫刻、陶芸部門での出展数が減っているようで、早く戻ることを期待したいところです。因みに、主催する太平洋美術会は、明治中期に西洋美術界が混乱し、洋画排斥運動が起こった際に、洋画家たちが立ち上げた明治美術会が母体となり、その後、太平洋画会を経て太平洋美術会と推移してきたとのこと。日展と比べると民間ベースでやや洋画色の強い団体のようです。
この日は、大きな2つの美術展からの刺激が多く、未整理のままで、いささか、頭がもやもやと重い感じがしています。
この日は、11,400歩コースでした。



ジョルジュ・ド・ラ・トゥール《女占い師》
おそらく1630年代とのこと

メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年|2022年2月9日(水)〜 5月30日(月)国立新美術館 (exhn.jp)

第117回 太平洋展 | 太平洋美術会 (taiheiyobijutu.or.jp)

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