2023年11月13日月曜日

鶴賀流新内演奏会

 先日には、かつての同僚も演じる「鶴賀流新内演奏会-新名取披露-」に四谷区民ホールを訪ねました。都内営団地下鉄丸ノ内線新宿御苑駅から5分程のところにあります。
新内(しんない、「新内節浄瑠璃」の略称です)は、江戸浄瑠璃の一流派で若狭敦賀が創始者の生地だそうです。いまの十一代家元も「鶴賀若狭掾(つるが わかさのじょう)」と呼ばれ、人間国宝とのこと。この演奏会もこれまで国立劇場で開催してきたところ、ここ7年間の再築工事のため今年はここにしたと新名取披露で挨拶されていました。
はじめて新内浄瑠璃を鑑賞する機会でしたが、人の情念を歌のようなセリフと三味線で絞り出す表現力には圧倒されました。とくに、2人の会話の表現でも、声色を変えながら、澄んだ高音を含め大きく抑揚をつけた話しぶりには、同僚も相当な訓練が必要だったことと感心しました(同僚もそうですが、声のキーの高い人でないと務まらないようにも思えました)。後日談では、同僚は前日から風邪気味で有効と言われる薬を飲んで上演したそうですが、いつもの高音が発声できなかったと反省していました。
最後の「弥次喜多」の演目では、軽妙な掛け合いを演出されて、同僚の芸の幅を感じさせてもらいました(多くの心中物に対して「チャリ物」というそうです)。
また、外国人女性の浄瑠璃にも驚きましたし、踊り、人形、落語(話題の蝶花楼桃花(ちょうかろうももか)さんでした)との組み合わせもあるのには、そのバリエーションの広さを感じました。落語とは、赤い高座の上で演じるところが共通です。ただ、落語での紫の立派な座布団は使われていませんでしたが。
これからは、これを機会に、テレビなどで見過ごしていた浄瑠璃をじっくりと楽しみたいとあらためて思った次第です。
会場入口に敦賀市長の花がおかれているのも、鶴賀流新内は敦賀を発祥の地とすることによるそうで、私の郷里の舞鶴@京都府北部からすぐ近くの敦賀にこんな文化があることを知ったのも新たな収穫でした。
この日は、7,600歩コースでした。

(参考)「新内節」について(ネットの紹介記事から抜粋・編集しました) 
心中物を歌う豊後節(宮古路節)が江戸幕府によって禁止されたことを受けて宮古路豊後掾が帰京した後、門弟たちは、常磐津節、富本節、宮薗節などに名を変え、分派していった。そのうちの一人宮古路加賀太夫が延享二年(1745年)富士松薩摩を名のって富士松節(富士松派)を起こした。さらに富士松薩摩の門弟から鶴賀若狭掾が出て鶴賀節(鶴賀派)を立てたが、門人の一人鶴賀新内が宝暦・明和年間(1751年 - 1771年)にその美声によって人気を得、新内節を創始した。その後、「新内節」の名称が富士松・鶴賀両派を包摂するかたちで現在に至っている。

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