6/22には、最寄りの上大岡駅にある港南区民文化センターのひまわりの郷で、2008年に映画化された「リゴレット」を観てきました。大相撲をテレビで観ているようなもので、豪華な舞台装置はもちろんのこと、歌手の細やかな表情までよくわかり、字幕付きですから、重宝しています。このところ、このようなオペラ映画(「シネオペラ」というそうです)が、ここで上映される機会が増え、その都度、手軽に楽しませてもらっています。前回は同じヴェルディの「椿姫」でした。
簡単なあらすじは、以下の(注)の通りです。
私がオペラをみるときに興味をもつのは、作品が生まれた国で長年大切にされてきたオペラの筋書き、物語です。
リゴレットは、身勝手な領主の公爵、領主に仕える道化師とその娘に関わる人情ものです。どうも、背景には、かけられた呪いは悲劇に通じる、という考え方があるようです(これは日本でも同じですが)。
オペラには、日本の歌舞伎、能などによくある歴史・戦記ものや道徳・宗教ものはほとんどなく、恋愛ものが多いことを感じます。
これは、西欧の大陸諸国(オペラではイタリア、ドイツ、フランスが中心です)では、国民の民族構成が複雑で、隣国間の戦争を多く経験した国状から、国内でも利害や価値観が複雑に絡み合うため、誰もが共感できる恋愛ものが広く受け入れられたのではないかと、勝手に推測しています。また、ローマ教会や領主、王政など体制側の統制が強かったこともあったかもしれません。リゴレットでも当時の領主は当初上演を禁止したそうです。
それにしても、後半のクライマックスのシーンで繰り返し歌われる「女心の歌」を聴き、常々聴くことの多いこの曲の背景やモチーフをあらためて知ることになりました。
(注)「名盤(Musica Classica)」から
宮廷の道化師リゴレットには、愛する娘ジルダがいます。放蕩な領主のマントヴァ公爵は、ジルダをもてあそびます。
怒ったリゴレットはスパラフチーレ(殺し屋)に「公爵の殺害」を依頼します。
しかし、"公爵を愛する"ジルダは、公爵の身代わりとなって殺されます。
リゴレットが死にゆく娘を抱き、絶望の中で呪いを嘆き、オペラは終わります。
https://tsvocalschool.com/classic/rigoletto/
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