この4月に取り壊した舞鶴の実家には、民家にしては珍しく屋根瓦に隅角(すみづの)がありました。
隅角が、母屋のすぐ奥にあった木造平屋の離れの屋根瓦に組み入れられていました。鬼瓦の先に角のように突き出た部分のことを言います。寺院などではよく見かけます。スケッチをするようになってからは、寺や城を描くことがあり、様々なタイプの隅角を描いてきました。離れは、昭和16年(1941年)に、前年の類焼により焼失した後に、祖父によって、自身の隠居部屋として、母屋と同時に建てられています。この頃には、隅角を組み入れる、こういう建て方もあったのでしょうか。
離れは母屋から庭越しにすぐ前に見えるところにあります。生まれてこの方、長く見てきながら隅角に注目することもなかったわけですが、解体直前の3月に家屋の細部の写真を撮った際に、あらためて気づいた次第です。
遅まきながら、せめてスケッチにして収めておきたいと考えていましたが、ようやく実現しました。
この地域では冬には50cm程の雪が積もることも多くありました。屋根瓦には部分的に雪止めという、雪が滑り落ちて人や植木に被害を及ぼさないための円弧のついた瓦も使われています。一般には、それでも足りずに、孟宗竹を屋根に横に載せて固定して雪止めにすることもありました。雪止めの瓦は針金で相互に横につながれ荷重を分散させるようですが、降雪時にはこの瓦の列に相当な負荷がかかります。以前には、母屋でも瓦の列が部分的に前後にずれて雪解け水で浸水したことがありました。また、屋根瓦のずれを抑えるために、瓦の下には赤土の壁土が敷かれていました。
2024年6月26日水曜日
屋根瓦の隅角と雪止め
角のようなパーツをいいます。
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