2024年12月7日土曜日

塩山の枯露柿

12/6には、枯露柿(ころがき)の完熟の様子をみに山梨県の塩山(甲州市)に出かけました。中央線の終着駅高尾から西に中央本線普通で1時間20分、特急で45分かかります。

1. 甘草屋敷

塩山駅北口から3分程にある「甘草屋敷」(かんぞう)を訪ねました。この日は、すでに軒下吊りの天日干しは終り、庭先での平干し(ひらぼし)の段階で、一つひとつ手で揉んで干し柿を平たくしてして糖分を高める作業中でした。枯露柿は地元では古くから正月の飾り物であり貴重な贈答品だそうです。ここは薬草の甘草を栽培し、幕府に献上していたところとか。
そこで、一句、

冬日差す枯露柿の影古屋敷

柿簾 (すだれ)甘味引き出す里の風


甘草屋敷の売店にて美味しくいただきました。
今年の百目柿は、夏の暑さで収穫が1週間ほど
遅れたそうです。また、成長もよく例年より
大粒で収獲個数は少なかったとか。また、風が
弱く熟すのに時間がかかるとのことでした。

平干しで揉み終わって平たくなった段階。
白い粉をふき始めています。

11月末頃に竹竿に吊るされた干し柿の影が
この障子に映るのが風流な光景だとか。
奥が甘草農園の一部です。手前では揉み
作業中です。
甘草屋敷。12月初めまで軒下の竹の棚に
吊るしていたそうですが、この日は既に棚から
平干しに移っていました。建屋中央の空気抜けが
特徴的です。2~3階は養蚕場だったとか。

2. 「枯露柿の里」松里地区の岩波農園
山梨交通のバスで塩山駅から15分程南に恵林寺(えりんじ)まで移動します。境内から道路を挟んで隣に「岩波農園」があります。この農園は有り難いことに屋敷の庭を一般に開放されていて、軒下に簾(すだれ)のように吊るした沢山の柿を眺められるスポットになっています。ここでは、軒下吊りもまだ観ることができ、同時に庭先の平干しもみられました。

だいぶ天日干しが進んで熟しています。



特産の百目柿(ひゃくめがき)。大型の渋柿です。
高さが12cm程はあります。松里地区(「枯露柿
の里」とのこと)の岩波農園さんにて。
平干しも進んでいます。

まるで簾(すだれ)のようです。「柿簾」とも
いうそうで晩秋の季語です。
この時期は軒下の吊り干しと庭先の平干しの
両方の真っ最中です。岩波農園にて。
ここまでくると壮観です。

3.武田信玄菩提寺 恵林寺
次に、隣の恵林寺を訪ねました。ここは、武田信玄と勝頼の菩提寺で多くの仏像や刀剣鎧などが宝物館に残されています。また、境内の池は紅葉の名所ですが、この時期では見頃は過ぎていました。また、次の機会には観てみたい所です。

恵林寺三門

開山堂

四脚門

庫裡。寺の境内には珍しく百目柿が植えられて
います。土地柄でしょうか。

恵林寺黒門

4. ほうとうとお土産
帰りに塩山駅前の「夢乃家」に立ち寄り、ほうとう鍋をいただいてきました。自家製の野菜をふんだんに使った品でしたがなんとか完食できました。汁に混ぜるかぼちゃは地の「鶴首かぼちゃ」で、甘味が控え目でほうとうにあった食材でした。


あんぽ柿(生ころ柿)。皮をむいた柿を2~3
週間天日干しにしたもの。硫黄で燻すと渋が
とれて色が飴色に定着するとのこと。これを
しないと渋で黒くなるそうです。白い粉
(カビ)をふき始めています

そのまま1週間程置くとこのように熟します。
これも「熟し柿」として懐かしい味です。

ほうとうの食材「鶴首かぼちゃ」

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