2025年1月25日土曜日

初めての奄美大島その2ー東シナ海と高倉とウミガメ

 1/23、1/24には、奄美大島北東端の龍郷町(りゅうごう)にある奄美自然観察の森、中央部東側の奄美市大浜海浜公園に出かけました。
この日は、最高21°Cで、前日が地元での彼岸桜の開花日だったとか。大寒とは思えない、上着もいらない天候です。ここの施設の入口で今年初めての桜を観ました。
東シナ海に面した2か所の海岸には、毎年ウミガメが産卵におとずれる場所のひとつだそうですが、産卵する個体数は年々減ってきているとのこと。
奄美で印象的なのが、高倉式の建物が多いことです。人気の黒糖焼酎の名前(奄美大島酒造)でもありますが。「高倉」とは、案内によると以下の通りで、南洋のイメージがします。

南方より奄美大島に伝わった穀物倉で、屋根裏が倉になっています。足柱が高いのは、雨や台風が多いことから、風通しを良くし湿気を防ぐためで、丸柱にしてよく削り磨いてあるのはネズミが上まで登れにようにするためです。また、火災や台風に備え、下の横棒を抜いて倒せるように1本の釘も使われていないことも、高倉の大きな特徴です。

ここの奄美海洋展示館では、保護されたウミガメが飼育、展示されており、アオウミガメ、アカウミガメ(この2種が殆ど)、タイマイの3種が見られるそうで、大きい順です。アオは甲羅が平らで茶色やオリーブ色(アオイのは脂肪層だとか)で食性は植物性、アカは甲羅は厚く起伏のある心臓形、食性が動物性とか。タイマイは茶色の小型で甲羅はべっこうにも加工されるそうです。
南洋植物では、ヒカゲヘゴが北限だそうで、山地の斜面や谷間などで見ます。また、デイゴ、ポックリヤシ、バショウも見かけますが、街中の蘇鉄は貝殻虫の被害を受け枯れた木を多く、対策が必要なようです。


高倉式の休憩所
前日1/22が、奄美での彼岸花の開花日だった
そうです。奄美自然観察の森入口にて。

千年鯛。千年に一度獲れるかどうかという
くらい珍しい鯛、とのこと。

ヒカゲヘゴ。奄美大島が生息の北限だそうで、
移動中にもよく見かけます。沖縄、台湾、
フィリピンが原産とか。「ゼンマイおばけ」
とも呼ばれるそうで、春先に見るゼンマイのくる
くる丸い幼葉が
ヒカゲヘゴの上に幾本か出るのも
見ます。その兆しがこの木でも丸い膨らみとして
みえます。

高さ7~8mまで育ち日影を作ります。奄美
中部の金作原原始林では見上げるヒカゲヘゴ
が見られるそうですが、今回はお預けです。
ヒカゲヘゴの幹は細い根が多数絡み合ったもの
で(葉根)、空気中から水分を吸収するそうです。
茎には落葉した葉のつけ根のあとが小判のように
残り、蛇腹模様を作ります。

浜木綿(はまゆう)も見かけました。

保護されたアオウミガメとのこと。奄美海洋
展示館にて。


蘇鉄が貝殻虫の影響で枯れるケースが
増えているようです。

イトバショウ。奄美や沖縄で古くから栽培
され、奄美ではこの茎からとれる繊維で織った
バショウ布の着物(バシャギン)を戦前まで
着ていたそうです。

南洋の風景です。

奄美自然観察の森の海岸。5〜8月にはウミガメも
ここに産卵に来るそうです。

奄美ロングビーチⅡ

ここにも高倉式の休憩所です。
この時期でも漆の真赤な紅葉が山の随所
で見られます。これから落葉するそうです。

養苗中のヒカゲヘゴの幼木。新芽や若葉は
食用にするとか。

すぐ下が龍郷町の街並みで、その一角に
西郷南洲流謫跡(注)があり、西郷隆盛が流されて
3年間暮らした家が残されているとか。右手前が
龍郷湾、右奥が奄美クレータ、左奥が笠利湾、
その奥は太平洋です。先回投稿の倉崎海岸は
中段に張り出す岬の裏側になります。
龍郷町の写真右隣りでは、東シナ海岸と
太平洋岸が750mと近接した箇所があり、
「二つの海の見える丘」から展望できるとか。

(注)西郷隆盛(号は南州)は維新前、安政の大獄で幕府から捕縛命令が出された時に、薩摩藩から捕縛を回避するための潜居を命ぜられ、3年間奄美大島で暮らしました。流謫地の龍郷にて龍一族の娘、愛加那と結婚し二児(菊次郎。菊子)をもうけました。謫居跡には、ゆかりの品や西郷手植えの桜、勝海舟から送られた碑文などを見ることができます。(龍郷町HPから)

0 件のコメント:

コメントを投稿

久々のAndante ハンドベルコンサート

 6/29には、久々に「アンダンテ(Andante) ハンドベルコンサート2025」に行ってきました。今回は、地下鉄東西線東陽町駅から10分程のところにある江東区文化センターでの開催でした。かつての職場の同僚が学生時代から長く続けています。団員(Ringersというようです)18...