2024年7月17日水曜日

祇園祭 前祭の一端「鉾建て、山建て」を巡る

7/13~14には、兵庫 相生からの帰路、京都に途中下車して祇園祭の前祭(まえまつり)の一端を初めて観てきました。これまで、この時期に京都に来る機会がなく、報道で知るばかりでした。
祇園祭は、祇園 八坂神社の疫病退散を祈願する一連の神事で、7/1~31まで一か月に亘ります。
もともと、京の都で、当時の全国の国の数に当たる66本の鉾を立てて、祇園の神を移した神輿の先祓いとして洛中を巡ったことから始まったそうです。前祭は7/10から始まり7/14~16に宵山(前夜祭)、7/17に山鉾巡行(本祭)とクライマックスとなり7/19頃まで続きます。
もともと祇園祭は、23の山鉾が巡行する前祭と7/22〜24(山鉾巡行は7/24)に11の山鉾が巡行する後祭(あとまつり)に分かれて2度行われてきました。高度成長期の昭和41(1966)年からは、京都中心街の交通渋滞や観光促進を理由に、前祭と後祭の合同巡行となり、時期的には前祭だけとなったそうです。平成26(2014)年から本来の姿に戻そうという動きになり後祭が復活したとか(地下鉄ができたことが影響したかもしれません)。これまでも、応仁の乱の時による中断、復活、縮小、等々1000年続く長い歴史、変遷があるようです。
たまたま今回は、7/17の山鉾巡行にむけて参加する山鉾の組立の真っ最中(「鉾建て、山建て」(ほこたて、やまたて)というそうです)、といったところでした。山鉾の骨格はほぼできていましたが屋根の取り付けや飾付けはこれからという状況です。四条烏丸通周辺の一般道路に陣取る10基程の山鉾をざっと足早に見てきたことになります。この両日とも小雨模様だったこともありそれほど混みもせずゆっくりと撮影もできました。ただ、厄除けちまき(食べる「ちまき」ではありません)を買い求める(献金して「授与される」というようです)や山鉾の上部に入り内部を見物するために、長刀鉾(なぎなたほこ)、月鉾など、地元に人気の山鉾には長い行列ができていました。
一巡して、これだけの規模の神事を、洛中の多くの人々が協力して伝統ある年中行事として入念に準備をし、しっかりと興行する心意気とエネルギーには感心します。大きな意味で、経済的にも循環しているようで(エコシステムが回っているということでしょうか)、一大観光都市 京都を支える裏方(バックヤード)の層の厚さを感じます。神社、地元自治会、市は勿論のこと、産業界、商業界のいろんな企業や団体も、社会活動、地域活動の一環として、モノ的に、ヒト的に多く絡んでいるのではないでしょうか。若い協力者も多く見かけました。日頃見慣れている、比較的歴史の浅い関東で見かける祭事への対応とは別に(今年はたまたま三社祭と山王祭を観ました)、戦災にもあわず、大災害もなく、長い歴史を通じて京都市民に、祇園祭の毎年の催行が深く根付き、ある種の誇りになっているな、という印象をもちました。これも、祇園祭の変遷を通じて、長年、厄払い、疫病除け、災害除けをしているご利益の現れかもしれませんが。
7/13、7/14は、それぞれ10,000歩、12,000歩コースでした。途中休みながらでしたが(美味しいオムライスの出る小さな喫茶店がありました)、結構、疲れました。

7/17山鉾巡行の先頭となる長刀鉾
(なぎなたほこ)。一番人気でもある
ようです。四条烏丸東側の大丸前に
陣取っています。大丸がスポンサー
でもあるようです。

長刀鉾の由来

長刀鉾全景
2番手となる月鉾。「動く
美術館」といわれるそうです。

月鉾。提灯は宵山での灯り
です。しっかりとスポンサー
企業の名前が入っています。

菊水鉾。洛中に古くからある
「菊水の井戸」に因んでいる
とか。巡行では3番目です。

鶏鉾(にわとりほこ)。
巡行では6番目です。
綾傘鉾(あやかさほこ)。傘鉾と
いうタイプの鉾でやや小型です。

綾傘鉾。鉾タイプとは構成が違い、
中央の「風流傘」を運びます。

船鉾。「船鉾」というタイプの
船に似た鉾だそうで小型です。
巡行では4番手です。
放下鉾

放下鉾の由来

函谷鉾(かんこほこ)。四条烏丸西側に
陣取り、巡行では5番手とのこと。

函谷鉾全景。この日は、たま
たま、この鉾での火災を想定して、
消防訓練が目前で通行客を敢えて
一時止めてしっかりと実施されて
いました。流石です。

函谷鉾の横に設けられた会所売店。ちまきは
ここで「授与」されます。

函谷鉾で授与された「ちまき」。
ご利益は「厄除け、疫病除け」
とのこと。ご利益は山鉾によって
様々です。災厄が家に入らない
ように家庭の玄関の外側に飾る
そうです。正月の熊手やだるま
のように1年で買い替えるよう
です。

函谷鉾の完成イメージです。
ちまきの入っていた紙袋
ですが。

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