1.「東山魁夷と風景画の旅ー日本から世界へ」展
2/3午後には舞鶴帰省からの帰路、京都で途中下車して、JR嵯峨野線で嵯峨嵐山駅まで駆け足で寄り道をしてきました。嵐山の渡月橋のすぐそばにある福田美術館で、2/1〜4/13に開催中の企画展「東山魁夷と風景画の旅ー日本から世界へ」を観るためです。
今回の展示では、福田美術館が所蔵する魁夷作品30点余りに加え、魁夷とともに近代日本画を牽引した横山大観や竹内栖鳳、さらには彼らが影響を受けたモネやコロー等の風景画も所蔵作品を中心に併せて展示されています。(注1)
美術館の建物が、京都の町屋をイメージして設計されており、3つあるギャラリーも「蔵」をイメージしており、扉も重厚で展示作品に集中できるように照明なども工夫されています。こじんまりした美術館ですが、これもまた一興です。鑑賞後には渡月橋を見渡せるカフェでゆっくりと余韻を楽しめます。(注2)
また、ここの特徴は、原則、写真撮影が許可されていることです。著作権処理が未了の作品だけに撮影禁止のマークが付されています。SNS等へのアップ、シェアも、営利目的でなければOKとのこと。昨今、敏感すぎるくらいに館内の撮影禁止が多い中では、鑑賞時の印象を私的にカメラにも残せるのは大いに助かります。ただ、館内が暗いため、写真品質は望めませんが。
このところ、国政選挙や地方選挙でSNSの影響が出てきいますが、美術展でもこれからこういったSNS化が始まるようにも感じます。ある意味で「美術館の民主化」というのかもしれません。
久々に観る東山魁夷の作品群に、風景を尊重し、ポリシーのある構図と精緻な筆さばきにあらためて感心するとともに、懐かしさを覚えました。我々世代は30〜40歳代の頃に、唐招提寺の襖絵など、東山魁夷の全盛期をみてきており、敬意とともに、同世代人のような安心感を持ちます。
2.天龍寺
福田美術館からJR嵯峨嵐山駅に戻る途中にある天龍寺を帰り道に訪ねてきました。
郷里の舞鶴にある檀家寺の得月寺が、臨済宗天龍寺派の系統なことから、あえていうと、間接的な檀家ということになります。得月寺の住職さんもここで修行されたと聞いています。得月寺でも多くの達磨の絵をみますが、こちらでも、本堂入口に大きな達磨絵がどんと置かれています。達磨像は禅寺のシンボルとのこと。
ここは、1339年に足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために創建した寺院ですが、後醍醐天皇自身もここで幼少期を過ごした場所だそうです。一時期は京都五山第一位の寺格だったとか。いまでも、天龍寺派の総本山として多くの僧の養成所としても機能しているそうです。一般には、中庭の曹源池と墨絵の雲龍図ばかりが取り上げられますが、表からは見えない禅堂、書院や法堂では釈迦如来をご本尊として厳しい修行が行われているとか。得月寺を訪ねるたびにいただく、天龍寺派宗務本院が毎月発行する冊子「教学時報」には、その様子が詳細に報じられています。
久々の京都散策でした。この日は、11,500歩コースでした。
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