2/11には、今年2回目の市場deシネマ(注1)の上映会が横浜南部市場でありました。今回は、いま日米タイで評判のドキュメンタリ「食べることは生きること(We are what we eat)~アリス・ウォータースのおいしい革命~」でした。
この映画は、米国カリフォルニア州バークレーに1971年にオープンした、アメリカ初の、地元農家と食べ手を直接に繋ぐフランス料理店「シェ・パニース」のオーナーで「食育菜園」の創始者でもあるアリス・ウォータースが、2023年に来日し、各地を回ったときの記録です。田中順也監督が撮影・編集をもこなす手作り感のある作品です。映画としては、主張がよくわかる編成で、人と人の密着感が自然に出ていて、よくできていました。
アリスは、「食べ方を変えれば、人の価値観、そして社会が変わります。さあ、皆で身近なところから動きましょう。それが、気候変動を止め、地球と私たち自身の健康を回復するのです」という信念を、様々な形で具体化していきます。それが、のちに「地産地消」、「ファーマーズ・マーケット」、「ファーム・トゥ・テーブル」、「エディブル・スクールヤード(食育菜園)」(注2)というコンセプトに発展し、世界で知られるようになったそうです。この意味で、彼女は「オーガニックの母」、「美味しい革命家」と呼ばれるようになったとのこと。2023年には、集大成となる著書「スローフード宣言〜食べることは生きること」となり、出版1周年を記念して来日されたそうです。
滞在中、島根県隠岐諸島海士町、島根県石見銀山、京都府亀岡市、滋賀県草津市、徳島県神山町、東京都中央区で、料理人、農家、学校、一般家庭等を訪問し、日本のスローフードの世界を探っていきます。かつての同僚が日本の農家に移住しているようです。
米国でのファーストフードの弊害からの脱却を主旨としていますので、日本での地元野菜を使った給食(Farm to school)や素材をそのまま活かす和食文化、家庭での朝ごはん、などには、感心されていました。彼女のコンセプトは、米国よりは日本の食生活に近いかもしれません。もともとの発想はフランスから学んだとアリスは言っています。
消費者の身近な食の選択次第で、環境問題の多くが解決できるという説は、ある面であたっていると思いました。いわゆる「倫理的消費」というのでしょうか。
鑑賞後、抽選会があり、この映画のMook本「Delicious Revolutionー「おいしい革命はつづく」が私にたまたま当たり(私だけの当選でした)、恐縮しましたが、有難く頂戴することにしました。もう少し勉強して実践しろ、というお告げだったのかもしれません。
それにしても、市場deシネマの館長さんは、この映画というかアリスの行動力がすっかりお気に入りで、この映画会の主旨にも近いこともあり、絶賛されていました。この日の上映も午前と午後の二部制で力が入っていました。また、会場の一角には、直接に農家さんから買える、みるからに新鮮そうな地元野菜の臨時販売コーナーが設けられて好評で、私も幾つか買い求めました。
この日は、6,800歩コースでした。
(注1)市場deシネマについては、2025年1月の下記当ブログに、関連記事をアップしていました。
新春「市場deシネマ」の会
(注2)エディブル・スクールヤード(edible schoolyard : 食育菜園)
エディブル・スクールヤード(ESY)は、学校の校庭に、アスファルトをはがして「エディブル・スクールヤード」(食育菜園)を造り、子どもたちが自然とのつながりや食育を学ぶ場を提供しているプロジェクトです。このプロジェクトは、子どもたちの心と体、頭をつなぎ、食を通じて自然界といのちのつながりを体験的に学ぶことを目指して米国で普及しています。
(注3)この映画の配給元のUnited Peaple 社から予告編が下記にアップされています。
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